改善案を習慣化するために大切な3つの仕組み-②

 改善案を継続し、習慣化するためには①管理指標②習慣化ツール③ほめること、という3つの仕組みが重要です。「管理指標」についてご紹介した前回に続いて、今回は7つの「習慣化ツール」について詳しくみていきましょう。

 

今ある習慣に組み込む「朝礼」

 改善案が定着しているかどうかは、経営者や管理職がチェックしてまわるよりも、朝礼など今ある習慣の中に組み込む方が効果的です。その際、毎日確認内容が異なると改正案の習慣化が難しくなるため、「朝礼シート」などを使って定型化することをお勧めします。作成する際は、以下の4要素を盛り込むと効果的です。

 

(1)導入・・・勤務体制に入る準備。体動かしたり、声を出してスイッチを切り替える。

(2)業務連絡・・・連絡漏れをなくし、連携を高めるために、前日、当日の連絡事項を確認する。

(3)教育・・・覚えたり注意しなければならないことを確認する。この部分に、改善のリマインドを取り入れる。

(4)かけ声・・・一体感を出すために、安全コール、接客用語の発声などを行う。

 

 朝礼をする際は、進行役が一方的に進めるのではなく、メモを取らせたり、質問を投げかけるなど、全員が参画意識を持つような工夫が必要です。

 朝礼がない場合は、最初からあれもこれも導入しようとせず、まずは業務連絡くらいから始め、それを続けることを目標にしましょう。

 

 

 

「聞いていない」をなくすコミニュケーションボード

 全員揃っての朝礼や改善案などの指示を一斉に伝えるのが難しい場合は、コミュニケーションボードを活用することで「聞いていない」人が出るのを防ぐことができます。

 ただし、設置するだけでみんなが見てくれると思ったら大まちがいです。「コミニュケーションボードは見られない」という前提で、以下の3つを抑えて設置・運用することが重要です。

 

(1)設置場所・・・職場の出入り口やトイレ、休憩室など、職場の人が必ず通る場所を選ぶ。

(2)わかりやすさ・・・①文字の大きさ(1メートル離れていても内容がわかる大きさ)

②内容のシンプルさ(取るべき行動が明確になっている)

(3)鮮度管理・・・いつまでも同じものが貼られていると、次第に誰も見なくなるため、常に最新版の情報を掲示する。

 

 

 

改善の基本ツール「表示」

 モノを探す時間の短縮や、人の行動の誘導を目的とした基本ツールである「表示」ですが、【2】のコミニュケーションボード同様、「表示を見ているはずだ」という思い込みにより、効果を発揮していないケースが多々見られます。表示を作成する際は、以下の3点を押さえることが重要です。

(1)読ませない・・・文字ではなく、できるだけ色、絵などで表示する。

(2)認識違いをさせない・・・社内で使っている言葉の定義を統一する、絵や写真を活用するなどして、表示を誤って認識するのを防ぐ。

(3)見やすい・・・大きな文字で表示するのはもちろん、燃えるゴミであれば「赤」文字で表示するなど、モノの持つイメージと色を合わせる。

 

 

 

作業の漏れをなくす「チェックシート」

 やるべきことが羅列されているチェックシートは、作業の漏れを防ぎ、入りたての従業員を教育する負担が軽減されるなどの効果がありますが、ポイントを押さえて作成しないと効果は半減します。例えば、「きれいに清掃する」と書かれていても、「きれい」の基準が人によって異なると、業務にバラツキが生じます。そこで、(1)現在の職場内での基準の認識のバラツキ(2)将来の人の流動性による基準のバラツキ、を考慮する必要があります。

 (1)(2)ともに少ない場合は簡易なチェックシート、(1)(2)どちらかが多い場合は詳細なチェックシートを作成します。例えばトイレの洗面台の清掃の場合、簡易チェックシートでは「洗面台の清掃」、詳細なチェックシートの場合「洗剤を使用し、水垢を落とし、台を拭き取る」など、期待される行動に繋がるように表記します。

 

 

 

担当者の変動にも対応できる「業務マップ」

改善後の作業動線やルールをマップに示しておくことで、業務が見える化されるため、担当者が変わったり、作業を知らない場合も、やり方を統一することが可能です。業務マップは、「業務の流れを示すもの」と「モノの置き場を示すもの」があります。

 

 

 

 

 

人材育成にもつながる「作業標準書」

 作業マニュアルとも呼ばれる作業標準書を使用することで、作業時間や品質のバラつきを防ぐことができるだけでなく、人材育成を早めることにもつながります。ただ、以下のような理由により、多くの企業でうまく活用されていません。

 

 

 しかし、わかりやすい作業標準書を作成しようとすると手間がかかり、結果途中で挫折する、というケースも少なくありません。そこでお勧めするのが動画マニュアルの導入です。最近はスマホでの撮影、編集も簡単になっており、導入により作業標準書の作成時間の短縮、作業改善につながったという声も多いため、検討する価値はあるでしょう。

 

 

 

人と設備の効率をアップする「作業計画」

 1日の作業スケジュールを示す「作業計画」を使用することで、事前に業務の準備や段取りができたり、人の応援指示ができるなど、人と設備の効率的な活用につながります。とはいえ、「書くのが面倒」「頭の中に入っている」「時間がない」などの理由で作成、運用できていない現場も少なくありません。大切なのは、作業計画を作成することではなく、「人と設備の有効活用である」ことを念頭に置き、以下の例を参考にしながら、①いつ(どのような順序で)②どのような仕事を③どれくらいの時間をかけて行うかの3つを、現場の全員が把握できるような作業計画を作成しましょう。

 

 

 

 

 

以上が改善案を継続するための習慣化ツールです。一から全てを取り入れようとすると大変ですが、すでにある習慣に盛り込むことができないか?という視点で検討すると導入しやすいでしょう。

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