多くの企業がグローバルでの競争にさらされ、生き残るために早急な収益構造の変革を行っています。そのため、最低限の人員で運営していることが多く、個人に目を向けると、全体の業務量は変わっていないにも関わらず、残業時間の短縮や人材の削減により、一人あたりの負担が大きくなっています。
事務職の仕事の中で書類作成は、多くの時間と手間がかかります 。では、書類作成をどのようにして減らせばよいのでしょうか。書類の改善もECRSで考えるとよいでしょう。ECRSとは、Eliminate(なくせないか)、Combine(結合できないか)、Rearrange(交換できないか)、Simplification(単純化)の頭文字をとったもので、生産現場の改善を行う考え方です。
目次
Eliminate
Eliminateは、「なくせないか」という視点で考えます。生産現場では、その作業自体をする必要があるかどうかを検討し、必要のないものは思いきってやめます。作業をやめてしまうわけですから、一番インパクトのある改善です。
書類の場合も同様で、本当に必要かどうかを検討し、不要な書類をなくします。その際、誰が何のために必要な書類かを知ることがポイントとなります。自分に必要がなくても、回覧先で重要な書類かもしれないからです。
Combine
Combineとは「結合する」という意味で、前後の作業を同時に行うことや似たような作業を一緒にやることで効率的に仕事を行い、改善を図ります。
書類でも同じことが言えます。同じような目的で作られた書類、同じようなデータを含む書類をまとめて1つの書類にして、書類の枚数を減らします。これによって、無駄な書類を作成する必要がなくなります。
Rearrange
Rearrangeは、作業の順序を「交換すること」で効率化を図るものです。作業順序を交換し同時に行える作業を増やして、効率化します。
書類作成では、データを持っているところ、データ加工を専門にやっている部門に作成を依頼するなど、書類作成の担当者を変更することです。作成依頼をする場合は、定型書式を作り、それを埋めてもらうなど、他部門の負担にならないような配慮が必要です。
最近では、現場でのデータ入力を紙からタブレットに変えることで、事務作業が大きく減ることもあります。
Simplification
Simplificationは「単純化」のことです。複雑な作業や判断の必要な作業を単純化することで、作業のスピードを向上させます。
定期的な会議などで使う資料については、必要な情報が含まれるような定型書式を作成し、その都度、一から作らなくてもいいようにします。定型書式にすることで、何を書けば良いか、迷うことがなくなり、スピードアップにつながります。