改善活動の支援を行うコンサルティングをしていると、
「改善が継続しない」と相談を受けることがあります。
改善を継続的にするには、意識して改善をするのではなく、
改善をするが当たり前の状態にまで持っていくことが必要となります。
つまり、習慣化です。
習慣化の入り口は、改善をやるとメリットがあると思わせることです。
メリットというと、お金の話が出てきますが、お金ではありません。
メリットは、小さな成功体験だと考えています。
成功体験というと抽象的で、
成功かどうかの判断も人によって異なります。
そのため、成功体験であることに気づいたり、
気づかせる仕掛けや仕組みが必要なのです。
成功体験を実感できる仕組みは、
数字による効果、
変わったという実感、
他人からの評価の3つです。
目次
①数字の効果
数字の効果とは、改善活動によって費用が減ったとか、
生産性が高まったという数字の事実です。
職場によっては、数字で示せないことがあったり、
数字を出すのに手間がかかることもあり、
数字での効果の設定は意外と難しいです。
そこで、改善が続いていることや、
改善活動でよくなったことを、
単純な数字で捉えるようにしています。
たとえば、
改善を行った回数、残業の回数、モノを探した回数、歩数、
5Sを実施した回数をカウントし、それを金額に換算し、
改善活動の効果として結果を共有しています。
②変わったという実感
変わったという実感とは、職場がキレイになった、
作業がやりやすくなったという感覚です。
数字では成果が上がっていると頭で理解しても、
実感が伴わないと納得できないこともあります。
少しずつ進んでいく改善活動では、
現場の方が実感するのが難しいです。
コンサルタントのように現場をたまにしか見ない人間は、
現場に入ると変わっているか、
変わっていないかを実感することができます。
しかし、毎日現場で働いている方にとっては、
改善活動によって職場が変わったという実感がないことが多いのです。
改善によって良くなったことをメンバー間で共有し、
現場の方が変わったという実感を持てるようにしています。
また、進め方を工夫し、
短期間で職場が変わったという実感が
持てるようにする方法もあります。
たとえば、整理整頓の場合、
対象を設備や床など特定の場所(箇所)に絞り、
集中的に実施することで、
すぐに職場の変化を実感することができるのです。
③他人からの評価
他人からの評価とは、人事評価のことではなく、
「費用が下がったよ、よくやった。」
「モノが探しやすくなったよ、ありがとう。」
という他人からのフィードバックです。
この一言が活動を成功体験に変えます。
特に取引先など、外部の人間から褒められると、
成功体験とともに自信も着くので、
顧客からの良い意見は共有するようにしています。