製造や営業などの現場管理において、実態を把握するために欠かせない「日報」。まだまだパソコンや紙で運用している企業も多いのではないでしょうか?しかし、スマホアプリを活用することで生産性を上げている企業もあるのです。今回は、スマホアプリでできる業務管理のメリットとその方法について詳しくご紹介します。
目次
これまでの現場管理で失っていたもの
日報は、業務の実態を把握し、情報を分析、改善することによって事業をより良くすることが目的なので、原則としてその日のうちに記録するのが理想的です。
しかし、パソコンで日報を管理している場合、オフィスで作成することが多いため、外出が立て込んだ時など、毎日ではなく月末にまとめて入力する、ということが多くみられます。
当然、まとめて入力するので時間がかかったり、書くべきことを忘れて漏れが発生する、などのデメリットが生じます。
また、紙で管理している場合、コピーやファイリング、保管などの雑務が多くなるほか、共有しにくい、分析する際に再度パソコンで入力する手間が生じる、などのデメリットもあります。
本来であれば、事業をより良くするために行なっている日報が、雑務を増やし、内容の薄い形骸化されたものになっているとしたら本末転倒です。
中小企業の味方!自社の現場に合わせたアプリを作成できるツールとは
そこでご紹介したいのが、スマートフォンやタブレットとクラウドサービスを組み合わせることで、安価で簡単に現場の日報や帳票を電子化できるツールです。このツールを用いることで、業務の効率化を図ることができます。
そのツールとは、Cybozu(サイボウズ)社のクラウドサービスの1つ、自社の現場に合わせたアプリを作ることができるkintone(キントーン)です。アプリの作成にはプログラミングの知識は必要なく、ドラッグ&ドロップと、ちょっとした設定で容易に作成可能です。簡単なものであれば、初めてソフトを使う人でも2時間くらいで完成させることができます。
さらに魅力的なのは価格です。5ユーザーから契約でき、その場合、月1万円以下で使うことができます。5ユーザーといっても、部門内でアカウントを共有することで価格を抑えることも可能です。
こうしてkintoneで作成したアプリを、スマートフォンやタブレットにインストールすれば、御社オリジナルの電子日報ができあがります。市場では、タブレット用の電子日報のソフトウェアも販売されていますが、kintoneは日報以外にも、見積書や報告書などにも活用できるため、コストパフォーマンスが非常に良く、中小企業にお勧めのツールと言えます。
タブレットの即時入力で、パトロール時間の大幅な削減へ
ある製造業のY社は、現場の整理整頓の状態をチェックするために、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)パトロールを行っています。そのやり方は、職場をパトロールして状態を5点満点で評価し、職場ごとに点数を集計して評価する、というものです。また、不要物が放置されている箇所や危険な箇所など、改善すべきところはパトロール中にデジカメで撮影し、是正報告書を作成します。
以前はパソコンで管理していたため、パトロール後の職場ごとの点数の集計、是正報告書の作成に2日を要していました。しかし、kintoneで作成したアプリをダウンロードしたタブレットを携帯し、パトロール中に随時結果を入力するように変更したところ、集計作業は1時間もかからずに終わるようになりました。また、是正報告書についても、タブレットのカメラとkintoneを連動させることで、パトロールが終わった時点で是正報告書が完成しているという状態になり、大幅に時間が削減されました。
その後もY社では、業務分析につながる様々なアプリを作成し、業務改善に励んでいます。
もし、あなたの業務分析に欠かせない日報が、形式化している、業務の負担になっている、と感じていたら、クラウドサービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。