私は、これまで2S活動支援も多く行ってきました。
2Sとは、5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の中でも最も重要な整理、整頓のことです。
支援のやり方は、会社ごとに仕組みを考えますが、2Sマラソンというやり方をすることが多くあります。
やり方は非常にシンプルで、次の3つのルールを守ればよいのです。
1つ目は、2Sの対象は問わず、何をやっても構わないことです。
2つ目は、半年で150件の2Sを実施する(1日、1件ペース)ことです。
3つ目は、2Sを行った際に既定のフォーマットで証拠を残すことです。
これを1年、2年と続けていくのです。
2Sの進捗状況に注目すると、職場のくせが見えてきます。
現場のくせは、下表のようにスタートダッシュタイプ、宿題タイプ、コツコツタイプの3つのタイプに分かれます。
くせを把握した上で、支援していくと、成果も出やすくなります。
目次
① スタートダッシュタイプ
やる気満々でスタートダッシュをかけ、急激に件数が増えていきます。
しかし、ゴールが見えるとペースが落ち、半数くらいのチームが目標を達成できません。
職場も一時的には整うものの、状態が持続しません。
このタイプの特徴は、一部の人がチームをひっぱるという構造になっている場合が多くみられます。
引っ張る人のモチベーションや業務の忙しさが、活動の進捗に大きく影響を与えます。
その場合、週替りリーダー制度など、全員がチームを引っ張る環境を作るようにしています。
② 宿題タイプ
夏休みの宿題のように、期限が近づいてくると急にピッチがあがり、目標を達成します。
このタイプは、リーダシップを発揮する人がいないことが多く、なかなか着手できません。
納期が近づいてくることが、きっかけとなり、全員で取り組むようになりますが、半数近くのチームが目標を達成しません。
このタイプも、職場の状態は持続せず、継続的な改善には向きません。
この場合、担当するエリアを決めるなど、役割分担を明確にするようにしています。
③ コツコツタイプ
日々、一定のペースで、計画的に進めていくタイプです。
スタートダッシュタイプよりも常に件数は下回り、宿題タイプよりも上回り、あまり注目されない職場です。
しかし、このタイプが最も職場の状態が維持、持続されやすい傾向にありました。
目標達成率も9割位と高いものでした。継続的な改善に向くタイプです。