製造現場において「ほめる」ことが少なくなっているように感じています。私が、改善に取り組んだ社員をほめると、その上司から「お金をもらっているので、社員が仕事をするのは当たり前」と言われることがよくあります。確かにそれも一理あります。
しかし、日々の生産に追われながらも、自ら時間を作り、改善をしてくれる現場社員のことを考えると、自然と「すごい!」という言葉が出てきます。社員のさまざまな努力が見えるからです。
ほめられると、自信がつき、モチベーションも上がり、次の改善に力が入り、プラスのスパイラルになっていきます。このことを考えると、「社員が仕事をするのは当たり前」と思うよりは、部下をほめて、成果を上げていく方が合理的な選択と考えます。ほめる際のポイントを下記にまとめてみたいと思います。
目次
①具体的にほめる
部下をほめる際、「よくやった」とほめるのではなく、「忙しく、時間のない中、改善をしてくれました」とか、「難しいテーマにもかかわらず、やり遂げてくれました」など、具体的にほめることが重要です。具体的にほめると、「(部下のことを)しっかりと見ています」というメッセージも、同時に伝わるからです。具体的にほめるためには、部下を気に留め、よく観察していないとできません。
②すぐにほめる
いいと思ったらすぐほめることです。たとえば、部下から報告を受けた際、その場でほめるのと、数日経ってからほめるのとでは、後者は、ほめられたときの効果が低くなります。叱るとき同様、ほめるときもすぐにほめることが重要です。
③笑顔でほめる
ほめるときは笑顔でほめましょう。実際にほめることを始めても、仏頂面で「さすが!」と言われても、相手には伝わりません。むしろ、ほめられているのか、そうでないのか、困惑するだけです。それは「さすが!」という言語情報よりも、態度や表情などの視覚情報、語調や声の大きさなどの聴覚情報の方が多くの影響を与えるからだです。ほめるときは、笑顔でほめることを心がけましょう。