改善提案は、多くの企業が取り入れている制度で、提案数を個人別の目標としている企業も多くあります。
様々な企業で改善提案制度を見てきましたが、早くて1年、長くても3年くらいすると、提案数が減り、いつの間にか忘れ去られてしまう企業が多くあります。
改善提案制度自体の問題もありますが、ネタ切れという意見も多く聞かれます。今回は、ネタ切れの対処方法をお伝えします。
目次
1.パクる
ネタがなくなったとき、最初にやるべきことは、他部署や他社をパクることです。他人の事例をマネて、自職場に横展開するのが一番早い方法です。
パクると言うと、クライアントには「それは改善提案としてはどうか」と言われることが多くあります。しかし、社員がネタ切れで提案数が少なくなり、改善提案制度自体が衰退するのであれば、他人の事例をパクってでも、生産性向上や業績向上につなげるほうが合理的だと思います。パクるためには、改善事例の共有や教育が必要となります。
2.テーマを決める
テーマを決めるとは、改善のテーマを絞り込むということです。たとえば、今月は「表示」、来月は「動き」といった具合にテーマを決めることです。
自由に考えるのと比較して、テーマを決めるとアイディアが出にくくなると思いがちですが、実は逆なのです。テーマを決めると、そのテーマに関することを目で追うようになり、様々なことに気づきます。そして、ひらめきが生まれるのです。
3.視点を変える
視点を変えるとは、自分以外の視点で考えるということです。たとえば、新入社員の視点で仕事を見直すことです。熟練者の視点から見ると改善の余地はなくても、新入社員の視点で見ると、間違えやすい点ややりにくい点などの改善点が見つかるのです。
新入社員以外の主な視点には、外国人や顧客などがあります。
私のクライアントでも、外国人の視点で表示や作業方法を見直したことで、品質が向上した例があります。日本人や熟練者にとっては当たり前でも、外国人から見ると当たり前ではないのです。