前回は、「整理」について触れましたので、今回は「整頓」について。
5S活動における整頓とは、単にモノをきれいに整えることではありません。
「必要なモノ」を、「決められた場所」に、「いつでも取りやすい」ように置くことです。
「3定」(さんてい)を決めること、とも言われます。

3定とは、
「定められた位置」(定位置)に
「定められたモノ」(定品)を
「定められた量」 (定量)
置くことです。
整理の後に、きちんと整頓をしないと、モノが元に戻されなくなってしまいます。
整理と整頓はセットで行いましょう。

3定は、継続されて初めて効力を発揮します。
2Sに着手して3定を行っても、すぐに崩れてしまっては意味がありません。
そうならないためのコツは、「表示」、「伝達」、「発注点管理」です。
この3つを行うと、短期間でリバウンドしてしまう事態を予防できます。
表示があることで、モノは迷子になりにくくなります。
もしも表示がなかったら、使用した後、どうしたらよいのかが分かりません。
その結果、モノが本来あるべき場所に戻されなくなってしまいます。
理想的な表示の方法は「駐車場」方式です。
月極駐車場では、車の収まる位置と、契約者の名前が書かれていますね。
モノも同じように、収まる位置と、モノの名前を、明確にしましょう。
モノの位置を決めるには、いろいろなやり方があります。
例えば、スポンジなどをモノの形にくりぬいて形跡管理を行う方法。
あるいは、マスキングテープなどで、駐車場のように区画を決める方法など、様々あります。


また、床にもラインを引き、モノの置き場を明確にしましょう。

ライン引きは、「整理・整頓がある程度まで進んでからにしよう」と考えがちです。
しかし、後回しにしてしまうと、その間にモノの位置が乱れてしまいます。
それを防ぐために、仮の表示をガムテープなどでしておくと良いでしょう。

2.伝達で「知らなかった」をなくす
「なぜ、あなたは戻さないのですか?」
2Sが実施されているのに、モノをもとに戻さない人100人に聞きました。
「モノの位置が変わったのを知らなかった」
これが、最も多かった答えです。
半分、言い訳にも聞こえますが、こうした意見が多いのが現実です。
そうならないよう、モノの位置が変わったことを朝礼などで伝達します。
職場での2Sは、家庭での2Sとは異なります。
2Sに参加していない人も、現場でモノを使うからです。
そのため、モノの位置が変わったことを知らない人は、モノを探すことになります。
そして、使った後は、元に戻さなかったりもするでしょう。
ですので、モノを動かしたら全員に周知徹底し、リバウンドを予防しましょう。
3.発注点管理でモノの増殖をコントロール
消耗品などの購入品の量は、使えば減り、補充すれば増えます。
時間の経過とともに、モノの量が増減するので、3定を守ることが難しくなります。
そこで必要になるのが、「発注点管理」による購入量のコントロールです。
在庫数の残りが幾つになったら、幾つ発注するかを決めます。
発注するルールを決めておけば、モノが必要以上に増えることはりません。
発注点管理をするには、下図のように発注カードを使うと便利です。

発注点管理をして、一番多いときの在庫量を前提に、モノを置く位置を決めます。
そうすれば3定は長続きします。
次は5S活動「清掃」について。「清掃」は全員で フリーライダーを見逃すな!