前回は「清掃」について触れましたので、今回は「清潔」について。
5S活動による清潔とは、「整理」「整頓」「清掃」の、いわゆる3Sをキープすること。
職場がきれいになったら、汚すのが申し訳ない気持ちになりませんか。
目次
1.キープするためのモニタリング
3Sをキープするには、2つのモニタリングが必要です。
1つ目は、内部でのモニタリング。
「5Sパトロール」などによる見回りです。
持ち回りで担当を決め、量・質の2つの観点からパトロールすると良いでしょう。
量の観点というのは、通信簿と同じで、基準を決めて、点数化していきます。
質の観点では、5Sを実施すべき場所の写真を撮ります。
そして、期限を決めて、修正・改善を図るように指示します。
2つ目は、外部からの指摘。
それは、顧客からの評価です。
製造業であれば、工場見学を受け入れた際、2S・5Sに関するアンケートを取ります。
この外部評価が重要で、モチベーションアップにつながることが多いです。
小売・サービス業などでは、顧客アンケートに、2S・5Sに関する項目を加えます。
2.パトロールで指摘し、絶対に指示通り実行させる
「清潔」は3S(整理・整頓・清掃)が前提となります。
そのためには日々、パトロールで悪い点を指摘し、修正・改善を指示することが必須です。
ところが、せっかく指摘をしても、指示が実行されない部署が出てきます。
それでも、指示した改善・修正は、絶対に実行させなければなりません。
放置しても大丈夫という風潮が、時間の経過とともに活動を停滞させてしまうからです。
そのためには、「鬼」(社内で恐れられている人)が、しつこく指摘し続けることです。
こう書くと簡単に思われるかも知れませんが、実行するのは非常に難しいです。
しつこく指摘し続けるための秘訣があります。
それは、「鬼」の習慣の中に、「チェック」という仕事が入るようすることです。
たとえば、「鬼」の出席する会議では、3Sの進み具合を確認するようにする。
このように、既に習慣化されていることに、進捗管理を加えます。
「鬼」が自身で進捗管理することを忘れてしまうこともあるでしょう。
それに備えて、鬼に情報が入るような仕組みにするのです。
3.異常を見える化する
清潔は、3Sの状態を維持しようという活動です。
何が異常なのかの基準を明確にしないと、異常な状態に気づくことはできません。
また、現場を巡回しても、管理職が異常に気がつかなければ、修正の指摘もできません。
そのためにも「見える化」が必要になります。
整頓の際、モノの位置は、駐車場のように区画を明確にし、表示するのがコツでしたね。
いちいち面倒臭いと思われる読者の方もいらしたかと思います。
でも、基準を明確にしないと、異常を覚知することができません。
その結果、徐々にリバウンドを許してしまうことになってしまいます。
最後は、5S活動における「しつけ」です。「しつけ」は現場との根競べ